• My Works, サントラ, 映画ネタ 2010.04.16 コメントは受け付けていません。

    an education

     

    この映画の原題は『An Education』。まぁ直訳すればズバリそのまま「教育」
    でしょうか。そのまま学校での”教育”を意味する一方、人生で挫折を味わったり
    辛い目に遭ったりする事もまた「学校では教えてくれない”教育”」なのですよ、
    というような事を描いた物語なんですが、何かそういうテーマがちと伝わりにくい
    邦題になってしまったなーという感じ。

    『17歳のカルテ』(99)とか『17歳の処方箋』(02)とか『アイコ十六歳』(83)とか、
    日本人はこういう17歳とか16歳って年齢のタイトルに惹きつけられるものが
    あるんだろうか。「17歳の何たら」というタイトルが既に2つあるのが痛い。

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2009.11.26 コメントは受け付けていません。

    publicenemies

     

    マイケル・マン映画に欠かせないものと言ったら、そりゃもう凝りに凝った選曲で聞かせる
    サウンドトラックに他ならないわけで、今回も男臭い世界を彩るクールで激シブな楽曲が
    ズラリと揃いました。

     

    まず映画の予告編で使われるや否や「このカッコイイ曲は何?」とサントラ・ファンの関心を
    集めたギター曲ですが、これはブルース・ミュージシャンのOtis Taylorが歌う”Ten Million
    Slaves”という曲。映画ではもう一曲、テイラーの”Nasty Letter”という曲が使われているの
    ですが、こちらは本作より先に『ザ・シューター/極大射程』(07)のラストで使われてました。
    どっちも激シブでイカす曲なんですが、個人的には後者の方がお気に入り。なぜかというと、
    映画の中でなかなかスタイリッシュな曲の使われ方をしているから。強いて言うなら、
    『コラテラル』(04)でAudioslaveの”Shadow On The Sun”が使われた時の、あのノリに
    近いかもしれません。

     

    そんなテイラーの曲も秀逸なのですが、それ以上に本作のサウンドトラックを語る上で欠か
    せないのが、ダイアナ・クラールが歌う”Bye Bye Blackbird”でしょう。映画では序盤のクラ
    ブのシーンで流れるのですが、この曲はそれ以降もビリーとデリンジャーの関係を象徴する
    曲として重要な意味を持っていきます。映画のラストではこの曲の題名に引っかけたセリフ
    のやり取りがあるのですが、これがまた泣ける。少々クサい演出だけど泣ける。「硬派なフリ
    してロマンティスト」というマイケル・マン節が炸裂する名場面といえるでしょう。

     その他、サントラ盤にはビリー・ホリデイの曲が3曲、ブルース・フォーラーのスウィング・
    ジャズ、Blind Willie Johnsonの陰鬱なブルース、賛美歌などが収録されています。

     

    オリジナル・スコアの作曲は、『ヒート』(95)以来久々のマン作品登板になるエリオット・ゴー
    ルデンサル。『タイタス』(99)とか『エイリアン3』(92)のあの個性的なスコアに比べると、
    今回はかなり抑制の利いたサウンド。テーマ曲の哀愁のメロディーが印象的です。

    マイケル・マンは既存のスコアを使い回す事も結構多いのですが、特に『ヒート』のスコアが
    今でもお気に入りらしく、『コラテラル』と『マイアミ・バイス』(06)でも一部のスコアを使い回し
    ていましたが、今回も”Hanna Shoots Neil”を使ってました。

    エンドクレジットによると、その他にも『悲しみが乾くまで』(07)からヨハン・セーデルクヴィスト
    &グスターボ・サンタオラヤの”After the Shooting”、『シン・レッド・ライン』(98)からジョン・パ
    ウエルの”Beam”(音楽はハンス・ジマー担当でしたが、このスコアに関してはパウエル作曲
    だったらしい)を使っていた模様です。テンプ・トラックで使った曲をそのまま完成版に使ったの
    かな。せっかくゴールデンサルと組んだんだから、曲を書き下ろしてもらえばいいのに・・・。

     

    何はともあれ、サントラ盤はゴールデンサルの重厚なスコア7曲と、ブルース/ジャズを中心
    にセレクトした歌モノ9曲を収録した、渋いコンピレーション・アルバムに仕上がっております。
    マン作品のサントラにハズレなし。ユニバーサルミュージックのサイトで試聴も出来ますので、
    是非お試しあれ。アーティストについてはライナーノーツで簡単に紹介させて頂きましたので、
    そちらの方も併せて目を通して頂ければと思います。ハイ。

     

    『パブリック・エネミーズ』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:エリオット・ゴールデンサル他
    品番:UCCL-1150
    定価:2,500円

     

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2009.06.01 コメントは受け付けていません。

     

     

    先日、綱渡り師フィリップ・プティの実像に迫る『マン・オン・ワイヤー』という
    ドキュメンタリー映画のサントラ盤のお仕事をやらせて頂きました。

    ユニバーサルミュージックからこの作品のサントラ盤がリリースになりましたが、
    音楽をあのマイケル・ナイマンが担当しております。

     

    担当、というのはちょっと適切な表現じゃないかもしれません。と申しますのも、
    この映画の音楽はナイマン本人の了承を得た上で、彼の過去音源を”再利用”する形で
    構成されているからなんです。

     

    なぜこういう構成になったのか、という経緯についてはプティとジェームズ・マーシュ監督が
    寄稿したライナーノーツに全て書いてあります。で、これがまた長い文章だったんだなぁ。
    その結果ライナーノーツの翻訳に文字数の大半を割く事になり、ナイマンの音楽について
    ほとんど言及出来なかったので、その分はここでフォローさせて頂きたいと思います。

     

    拙文も長くなりますが、しばしお付き合い頂ければ幸いです。

     

    マイケル・ナイマンといえば現代音楽の重鎮といった存在ですが、何となく見た目も
    気難しい英国紳士という印象を受けます(何となく、ですよ)。

    自分の音楽にも相当こだわりのありそうな彼が、よく音源の二次使用の許可を出したなぁ、
    と思ったのですが、考えてみればナイマン自身も自作曲を別の作品に”再利用”している
    ケースが過去に多々あったという事実を思い出しました。

     

    例えば『コックと泥棒、その妻と愛人』(89)の「Memorial」という曲は、1985年にヘイゼル・
    スタジアムで起こったサッカーのサポーターの乱闘事件(いわゆる「ヘイゼルの悲劇」)の
    犠牲者に捧げた曲の一部だという話ですし、その『コックと泥棒・・・』で使われなかった音楽を
    『アンネの日記』(95)で使ったという記述もあります。また、フランス革命200周年記念の
    委託作品『La Traversee de Paris』には、『プロスペローの本』(91)で使われたスコア
    「Miranda Previsited」の原型となった曲が収録されています。

     

    果たしてこれは「曲の使い回し=手抜き」なのか? もちろん答えは「否」でしょう。

     

    ナイマンにとっては映画のために書き下ろした曲であれ、式典用の委託作品であれ、
    自分の作った曲は誰のものでもない自分の作品、という思いが強いのだと思います。

    もう少し飛躍させて解釈すると、「自分の曲をどう使おうと私の自由」という考え方を
    持っているのではないかと思うわけです。完成度の高い曲、思い入れのある曲なら、
    機会があれば他の作品でも積極的に使っていきたいと考えているのではなかろうかと。
    (実際、ナイマンの作品は名曲揃いですから)

    だから、ナイマンに自分の作品(映画とか)を気に入ってもらえさえすれば、
    比較的すんなり曲を使わせてくれるんじゃないかという気もします。

     

    実際、ナイマンのオフィシャルサイトで「Use a Nyman Track on Your Film」という企画を
    やってますし。これ、全国の映像作家の皆さんはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

     

    ・・・というわけで、今回のサントラ盤は「フィリップ・プティが選ぶベスト・オブ・マイケル・
    ナイマン」みたいな内容になってます。2001年に発売されたベスト盤が最近は入手困難に
    なってきたので、今後手軽に入手可能なナイマン・ベストとして重宝されそうな気がします。

    トラックリストはユニバーサルのwebサイトをご参照下さい。

     

    ちなみに、今回のライナーノーツの翻訳は研究生時代にお世話になった東北大学文学部の
    原 英一教授(現 東京女子大学 現代教養学部教授)にお願いしました。ここで改めて
    お礼申し上げます。どうもありがとうございました。

     

    映画本編についてはまた後ほど。

     

    『マン・オン・ワイヤー』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:マイケル・ナイマン、ジョシュア・ラルフ他
    品番:UCCL1143
    定価:2,500円

     

      

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2009.04.14 コメントは受け付けていません。

     
    お待たせしました(別に待ってないか)。
    今回は『ミルク』(08)のサウンドトラックについて。

     

    このところガス・ヴァン・サントは既製曲のコンピレーションを中心とした
    サントラを作っていたのですが、『ミルク』では久々にオリジナル・スコアが
    つきまして、ダニー・エルフマンとタッグを組んでおりました。

    1998年の『サイコ』以来の顔合わせだなぁ、と思ったのですが、あの映画の
    音楽はバーナード・ハーマンの曲を完全カヴァーした構成だったので、
    エルフマン書き下ろしのオリジナル曲となると、前年の『グッド・ウィル・ハン
    ティング 旅立ち』(97)以来という事になるわけです。

     

    今回の『ミルク』では、あのエルフマン独特のケレン味をぐっと抑えたシックな
    装いのオーケストラ・サウンドを披露しています。
    ハーヴィー・ミルクのパーソナリティをそのまま反映させたような、全体的に
    優しげで控えめな感じと申しましょうか。切なくてやるせないけれど、どこか
    希望を感じさせてくれるサウンドです。

    特に23曲目から25曲目の展開は、映画本編を見た後に聴くとかなり泣けます。
    実際、久々に聴いたら映画の終盤のシーンを思い出して目頭が熱くなりました。

    あの名作『シザーハンズ』(90)のラストシーンのような、静かな感動を呼び
    起こしてくれる名曲というか何というか。
    やっぱりスラムドッグなんたらより、『ミルク』が作曲賞を獲るべきだった
    ような気がします(今更ですが)。

     

    アルバムにはエルフマンのスコア22曲に加えて、70年代当時のヒット曲が
    6曲収録されています。聴き所はSylvesterの「You Make Me Feel (Mighty
    Real)」でしょうか。このシルヴェスターという人、いわゆるドラァグ・パフォー
    マーでして、ゲイのディスコシンガーだったんですな。で、ミルクの誕生
    パーティーで実際にこの曲を歌った事もがあるのだそうです。

    映画でもそのシーンがそっくりそのまま再現されていて、ケバケバしい
    格好をした歌手がファルセット・ヴォイスでこの曲を熱唱しておりました。
    シルヴェスター本人は1988年にAIDSで亡くなっているので、映画に
    登場するのは彼に扮したそっくりさんなのですが。

     

    差別や偏見と闘うマイノリティの人々の物語に、Sly & The Family Stoneの
    「Everyday People」を持ってくるあたりも実にニクい選曲です。

    ただ、スウィングル・シンガーズの「プレリュード第7番(バッハ)」をあの
    シーンに持ってくるというのは、本気でやっているのか笑いをとるために
    やっているのか、ちと判断しかねます。ガス・ヴァン・サントも屈折した
    ユーモアセンスの持ち主だからなぁ。ま、このあたりは映画を観た人の
    感性にお任せしますって事ですかね。

    CDにはその他にもDavid Bowieの「Queen Bitch」やThe Hues Corporationの
    「Rock the Boat」、The Sopwith Camelの「Hello, Hello」を収録。
    ハズレなしのナイス選曲です。

     

    それぞれのアーティストについてはCDのライナーノーツでざざーっと
    紹介させて頂きましたので、ぜひぜひご覧頂ければと思います。

    サウンドトラック盤はユニバーサルミュージックより今月15日発売。
    慈愛に満ちたエルフマンの音楽をご堪能あれ。

     
    『ミルク』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:ダニー・エルフマン & Various Artists
    品番:UCCL1140
    定価:2,500円
      

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2008.11.04 コメントは受け付けていません。

     

    本日は今週7日から公開になる『X-ファイル:真実を求めて』についてのお話。

    ワタクシこの映画を20世紀FOXさんのマスコミ試写室で拝見させて頂いたのですが、
    当日はあのゲリラ豪雨が猛威をふるった日で、試写室に着いた時には全身ズブ濡れに
    なっておりました。ま、今となってはいい思い出かも(話のネタとして)。

    厳寒のウェストバージニア州でFBIの女性捜査官が失踪。サイキックな透視能力を持つ
    ジョー神父がFBIに捜査協力を申し出るものの、当局はその超能力の真偽が判断出来ない。
    そこで彼らはFBIを引退したスカリーに接近し、どこかで隠遁生活を送っている超常現象の
    プロ、フォックス・モルダーを探し出し、捜査協力を要請する…というのが物語の導入部です。

    モルダーはTVシリーズ最終話で第一級殺人(実は捏造)の罪で死刑を宣告され、
    スカリーやドゲットの協力で辛くも刑務所から脱走したわけですが、はてさて一体
    どうやって現場復帰するのかと思ったら、「捜査に協力すれば過去の事は水に流す」の
    ひと言で片付いてしまいました。あっさりしてるなぁ~(笑)。
    あんまり書くとネタバレになるので、これ以降の展開については書かないでおきますね。

    1998年の劇場版第1作は宇宙人を題材にした大がかりなSFドラマでしたが、
    今回はオカルト/サイコスリラーに仕上がってます。ぱっと見た感じ地味~な感じは
    否めませんが、個人的にはシーズン6への壮大な予告編のようだった前作より、
    話がきちっと完結している本作の方が気に入ってます。
    思ったよりモルダーもスカリーも老け込んでなかったのもポイント高いかも。

    さて前回はスコア盤とコンピ盤の2種類のCDが発売されましたが、今回は1種類のみ。
    『X-ファイル』の全エピソードの音楽を手掛けたマーク・スノウによる入魂のオーケストラ・
    スコア20曲と、UNKLEがリミックスした「X-ファイルのテーマ」とボーカル曲の”Broken”、
    劇中にFBI捜査官役で顔を出しているイグジビットの書き下ろし曲の合計23曲を収録。

    TVだと予算の都合でシンセサイザーで補わなくてはいけない部分も、映画版だと
    贅沢にオーケストラが使えるので、スノウのスコアも音に重みがあって迫力があります。
    また、エンドクレジットで流れるUNKLEのクールでビートの効いた曲もカッコイイです。
    特に「X-ファイルのテーマ」のリミックスが耽美的な感じでオススメ。

    輸入盤とジャケットの異なる国内盤は、ユニバーサルミュージックより発売中。

     

    『X-ファイル:真実を求めて』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:マーク・スノウ
    品番:UCCL1130
    定価:2,500円

     

       

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