• サントラ, 映画ネタ 2009.09.19 コメントは受け付けていません。

     

    『ディセント』(05)のニール・マーシャル監督待望の新作、遂に日本公開!・・・って事で、
    『ドゥームズデイ』(08)を観てきました。

    シルバーウィーク期間中は、チケットを買う際に窓口で「世界の終わり」と言うと1,000円で
    観られる「お得すぎてすいま千円キャンペーン」(苦笑)を実施中との事で、ワタクシも利用
    させて頂きました。詳しくは公式サイトの情報(http://www.doomsday.jp/1000yen.html
    をご覧下さい。

     

    映画の内容はと申しますと、ひとことで言うとジョン・カーペンターの『ニューヨーク1997』(81)
    とか『エスケープ・フロム・L.A.』(96)、あるいは『マッド・マックス』シリーズ、更に言えば『北斗
    の拳』的な世界観のイカレ系世紀末B級アクションです。こういう物語設定、好きな人にはたまら
    ないものがあるのでは(筆者も含む)?

    特筆すべきは、舞台となっているのがNYでもLAでもなくイギリスという点。この手の映画に
    不可欠なマッドで凶暴なチンピラの皆さんももちろん登場するわけですが、その外見が何となく
    70年代のパンク・ロッカー風なのがなかなか味があります。

    音楽も無粋なヘビメタとかデスメタルではなく、パンク野郎のソルが主催する「地獄のサーカス」
    のシーンでAdam and the Antsの”Dog Eat Dog”とかFine Young Cannibalsの”Good Thing”、
    Siouxsie and the Bansheesの”Spellbound”など80年代UKの懐メロが使われてます。これも
    洒落た選曲じゃありませんか。他にもマルコム・マクダウェルが古城に住んでいて、甲冑姿の
    部下をはべらせていたり、物語終盤のカーチェイスで登場する車がベントレーだったり、随所に
    イングランド的な要素が出てきます。

     

    で、そのカーチェイスのシーンでは『マッド・マックス』に登場したようなゴツくてイカれた(イカ
    した?)改造車が本作にもバンバン登場するわけですが、CGで済ませずに、ゴテゴテした
    悪趣味な改造車を本当に作ってしまうところがスゴイ。こういうのを見せられると、作り手の
    熱意のようなものが伝わってきて、「コイツら本気だな!」と、見ているコチラも熱くなるって
    もんです。Frankie Goes to Hollywoodの”Two Tribes”をBGMに過激なスタントで見せる
    終盤のカーチェイス・シーンは激アツ。アクション映画ファンは必見でしょう。

    ちなみに主人公の女戦士エデン・シンクレアを演じるのは、『アンダーワールド:ビギンズ』(09)
    のローナ・ミトラ。女戦士という設定に「こびやがって」と苦言を呈する硬派なスネーク・プリス
    キン至上主義の方もいらっしゃるかと思いますが、これはこれでアリではないかと。タンクトップ
    姿で大立ち回りを演じるミトラ姐さん、カッコイイです。

     

    オリジナル・スコアもまたニクい。作曲は『地球が静止する日』(08)や『ウォッチメン』(09)の
    タイラー・ベイツなのですが、『ニューヨーク1997』のような古臭いシンセサイザー音と無機質
    なリズムを使った80年代風のスコアを何曲も書いてます。アラフォー世代の映画ファンには、
    何かこうグッと来る音ですな。サントラ7曲目の”BLOCK 41″とか12曲目の”SWORD FIGHT”
    などはその最たるものではないかと。

    ライナーノーツによると、マーシャル監督は「80年代初頭に作られた世紀末映画のような
    エレクトロニック・スコアと、壮大なオーケストラ・スコアの両方が欲しい」と要求したそうで、
    なるほど確かにリクエスト通りのサウンドに仕上がっているなー、と思った次第。つくづく
    国内盤がリリースされなかったのが惜しまれます。ライナーノーツ書きたかったなぁ。

     

    決して万人向けの映画じゃないし、強烈なゴア描写も満載のクセの強い内容ではありますが、
    愛だの恋だのと感動を押し売る映画に食傷気味な映画ファンの皆さん(筆者も含む)にはぜひ
    観て欲しい作品です。シルバーウィーク期間中は1,000円キャンペーンもやってる事ですしね。

     

      

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2008.12.26 コメントは受け付けていません。

     

     

    さて、今回は昨夜のブログで予定外に話が長くなってしまった『地球が静止する日』のつづきです。
    本日は音楽について。

    何故ワタクシがこの映画の音楽について(ブログを2部に分けてまで)お話ししたいかと申しますと、
    国内版CDにライナーノーツを執筆するに当たって、作曲家のタイラー・ベイツさんご本人に
    インタビュー出来たからなのですね。

    ベイツさんといえば、ロックバンド”PET”の元メンバーで、『ドーン・オブ・ザ・デッド』(04)や
    リメイク版『ハロウィン』(07)などホラー映画御用達の作曲家として知られておりまして、
    いろんな意味でクセ者ミュージシャンなんじゃないかと内心ハラハラしていたのですが、
    それは杞憂に終わりました。実際のベイツさんは、当方のひとつひとつの質問に丁寧に答えて
    くれるナイスガイでございました。しかもルックス的にもなかなか男前だったりします。
    「イケメン映画音楽家」みたいな売り文句で紹介したら、結構人気が出るかもしれません(笑)。

    そのベイツさんが「今回はナラティブな音楽は必要なかったんだ」とインタビューで語ってくれた
    ように、『地球が静止する日』の音楽は喜怒哀楽の感情が明確なメロディーで表現されているような
    タイプのスコアではなく、抽象的なイメージのサウンドになっています。もっとも、数々のホラー
    映画で世紀末的ムードを漂わせたスコアを書き下ろしてきたベイツさんなので、今回の「人類が
    滅亡すれば、地球は生き残れる」というテーマを掲げた本作の音楽担当にはピッタリの人選と
    いえるでしょう。

    スコアは「オーケストラ+合唱隊+打楽器隊」の構成で、なかなか迫力ある音を聴かせてくれます。
    『地球の静止する日』と同様テルミンも使っているようですが、今回はあまり印象に残る使い方では
    ないような気も致します。

    その代わり、ベイツさん自ら「ギターヴァイオル」という楽器を弾いております。この楽器、CDのクレジット
    などでは”bowed guitar”などと書かれる事もありますが、バイオリンのように弓を使って弾くギターと
    イメージして頂ければよろしいかと。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジやシガー・ロスなども自身の
    アルバムで演奏した事があるので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
    で、この楽器がなかなかドクトクな音色を発しておりまして、謎めいた宇宙人のドラマにマッチした
    音世界を作り出しております。

     

    …というわけで、ランブリング・レコーズさんからリリースになる国内盤には、ライナーノーツの中で
    タイラー・ベイツさんご本人が話してくれた曲作りのプロセスや、キャリアの方向性を決定づけた
    思い出の映画、ロブ・ゾンビ監督の某作品を担当した時の苦労話など、いろいろ書かせて頂きました
    ので、興味のある方は輸入盤ではなく国内盤をお買い求め頂ければ幸いに存じます。

    国内盤の発売日は来年1月21日となっておりますので、ひとつよろしくお願い致します。

     

    『地球が静止する日』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:タイラー・ベイツ
    品番:GNCE7040
    定価:2,625円

     

       

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2008.12.26 コメントは受け付けていません。

     

     

    本日はweb上で賛否両論巻き起こっている映画『地球が静止する日』について。

     

    この映画はロバート・ワイズ監督の古典SF作品『地球の静止する日』(51)のリメイク
    なわけですが、冷戦下の核戦争の脅威を描いていた前作と異なり、今回は環境破壊
    への警告がテーマとなってます。

    例によって宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーブス)は「地球外文明の代表」として
    地球にやって来るわけですが、リメイク版はこの時点で既にある「任務」を遂行する
    気でいるので、核戦争を放棄するよう「説得」に来た51年版のクラトゥ(マイケル・
    レニー)に比べると今回は非情な感じに描かれてます。

    ま、それも無理ないかなと思うわけです。51年版同様、地球に降り立ったクラトゥは
    おもむろに米軍に発砲されて負傷するし、「国の代表(=大統領とか)に会わせて
    ほしい」と頼んでも拒まれるし、オリジナル版から57年経っても人類(特にアメリカ人)が
    全然進歩していないんですな。相変わらず米軍は「未知なるもの」に攻撃を仕掛ける
    ことしか考えてないし…。これだから「友好的な態度で説得を試みても聞く耳持たない
    だろう」ってな発想になるのも分かる気がするのです。

     

    で、クラトゥ氏は「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる」とのたまうワケですが、
    これも何となく納得してしまうんですよ。特にアメリカは環境問題に取り組みたがら
    ない国ですからね。そういえば『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でも、シャアは
    アクシズを地球に激突させて人類を粛清しようとしていましたし、『機動戦士Vガン
    ダム』ではタイヤ付き戦艦で地球上のあらゆる建造物をブッ潰す「地球浄化作戦」
    なんてのもありましたな。「人類が生きている事自体、地球にとって有害である」
    という発想は、割とよくある考え方なのかもしれません。

     

    原作では、クラトゥが人類に警告を発するため、30分だけ世界中の電気をストップ
    させるシーンが物語の中盤にあるのですが、今回のリメイク版ではその場面がラスト
    シーンに移されているのです。これはヘレン(ジェニファー・コネリー)やバーンハート
    教授(ジョン・クリース)が「危機に瀕したとき、人類は変わる事(進化)ができる」と
    言った事を受けてのラストなのでしょう。

    「そんなに人間が変われるというなら、この状況から変わってごらん」という、クラトゥ
    から出された地球人への課題というか試練というか…そんな感じかな、と。「ここまで
    切羽詰まった状況にならないと、人間って行動を起こさないモンかなぁ~」とも思うの
    ですが、そういやワタクシ自身も来年の年賀状を数日前にやっと書き終えたばかり
    でした。うーむ、そう考えるとなかなか深いメッセージだ(笑)。

     

    映画の中身について言えば、キアヌのクラトゥ役はなかなかハマっておりました。
    この人はこういう無表情なキャラクターを演じると神秘的な感じになりますからね。
    薄幸のヒロインを演じたジェニファー・コネリーもステキでよかったなぁ。ウィル・スミスの
    息子はちょっとイラっと来たのでノーコメント。
    脇役で『プリズン・ブレイク』のロバート・ネッパー(ティーバッグ役の人)と、『24 -TWETNY
    FOUR-』のロジャー・クロス(カーティス役の人)が軍人役で出てましたね。多分、ネッパー
    の演じた軍人はバグの大群に巻き込まれてお亡くなりになったかと。

     

    さて『地球の静止する日』の音楽といえば、バーナード・ハーマンのテルミンを使った
    音楽が有名ですが、今回のリメイク版の音楽を手がけたタイラー・ベイツは、51年版は
    意識せずに全くのオリジナル音楽を書き下ろしました。

    今回、音楽についてもいろいろ書こうと思ったのですが、文章が予想以上に長くなった
    ので「次回につづく」という事にさせて頂きます。

     

    なお、国内版サウンドトラックCDはランブリング・レコーズより1/21に発売です。

     

    『地球が静止する日』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:タイラー・ベイツ
    品番:GNCE7040
    定価:2,625円

     

       

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