• My Works, サントラ, 映画ネタ 2009.06.10 コメントは受け付けていません。

     

    去る4月上旬のこと。 エイベックスのM氏から「ディズニー/ピクサー グレイテスト」なる
    ベスト盤をリリースするという話を伺いました。で、このライナーノーツ製作の依頼を
    頂いた時、「ディズニーのベスト盤かぁ。きっと歌モノのコンピ盤なんだろうな」と思ったの
    ですが、話を聞いてみると「40%がヴォーカル、60%がスコアになります」というお返事が。

    おぉ、これはいいアルバムになるかも、と高まる期待。
    さらに話を聞くと、今後収録曲が増えるかもしれないとの事。

     

    もる:「歌モノが増えるんでしょうか?」

    M氏:「いや、スコアが増えそうな感じですねぇ」

     

    ・・・というわけで、当初は全18曲を収録予定だったのですが、数日後に送られてきた
    音源では、本当にスコアが増えて全25曲になってました。

     

    さて肝心のCDの内容はと申しますと、『トイ・ストーリー』(95)から近作『WALL・E』(08)まで、
    ピクサー・アニメーション・スタジオが製作した珠玉のCGアニメの中から、選りすぐりの
    主題歌・挿入歌・スコアをコンパイルした便利なベスト盤となっております。

    内訳としては、歌モノが11曲、ランディ・ニューマンのスコアが6曲、トーマス・ニューマンの
    スコアが5曲、マイケル・ジアッキノのスコアが3曲という感じです。

    詳しくはディズニーのwebサイトでトラックリストを確認してみて下さい。

     

    そしてこのベスト盤の最大の目玉は、ピクサー最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)
    からスコアが1曲収録されている点でしょう。何しろ本国では『カールじいさん』のサントラが
    よりによって配信限定リリースという「やってはいけない事」をディズニーがやってしまった
    ので、悲しい事に日本でもサントラがCDでリリースされるかどうか分からない状態なのです。

    ワタクシは日頃から「アルバムは音源とジャケットとライナーノーツ(or 歌詞カード)があって
    こそ成り立つものでしょう!」と言っている人間なので、一応この前エイベックス(のM氏)に
    「日本では是非CDで発売を!」とリクエストしてみましたが、どうなるかなぁ・・・。

     

    ま、とりあえず現時点では『カールじいさん』の音がCDで聴けるのはこのアルバムだけ、
    という事になるわけです。そういう意味では貴重な1枚ではないかと。

     

    歌モノは例によってブックレットに歌詞・対訳がついているので、その点でもなかなか便利な
    アイテムではないかと思います。サラ・マクラクランの”When She Loved Me”(『トイ・ストー
    リー2』[99]の挿入歌)なんて久々に聴きましたが、これはいつ聴いても名曲ですな。

    他にもランディ・ニューマン、シェリル・クロウ、ジェームズ・テイラー、ラスカル・フラッツ、
    カミーユ、ピーター・ガブリエル、ビリー・クリスタル&ジョン・グッドマンのボーカル曲を
    収録。ピクサー・ファンなら、どれがどの映画の挿入歌なのか一発で分かるでしょう。

     

    日本盤はダイアモンド☆ユカイ(『トイ・ストーリー』[95])と石塚英彦&田中裕二(『モンス
    ターズ・インク』)の日本語版主題歌/挿入歌が収録されていますが、これはちょっと
    微妙なデキかもしれないです・・・(ボソッ)。やっぱり「英語の歌詞を和訳して、原曲の
    メロディーに合わせて歌う」というのは無理があるような。言葉のリズム感も違いますからねー。

     

    ま、こういう機会に日本語版主題歌を聴いてみるのもオツなものではないか、と
    思ったりもするわけですが、その点を差し引いても、手堅い選曲でハズレなしの
    ベスト盤に仕上がってます。

     

     
    『ディズニー/ピクサー・グレイテスト』
    音楽:Various Artists
    品番:AVCW-12727
    定価:2,600円

     

      

    Tags: , , , ,

  • サントラ, 映画ネタ 2009.02.01 コメントは受け付けていません。

     
    先日、今年のアカデミー賞のノミネート作品が発表されました。

     

    まぁ、ワタクシもこういう仕事をしている関係上、ノミネート作品や受賞結果は
    いろいろ気になるわけでございまして、特に最優秀作曲賞に関しては毎年
    「誰が受賞するのかなぁ」と自分なりに予想を立ててみたりしています。

     

    今年の作曲賞ノミネートは下記の通り。

    アレクサンドル・デプラ / 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
    ジェームズ・ニュートン・ハワード / 『ディファイアンス』
    ダニー・エルフマン / 『ミルク』
    A.R. ラフマーン / 『スラムドッグ$ミリオネア』
    トーマス・ニューマン / 『WALL・E / ウォーリー』

     

    ううむ。これは予想が難しい。

     

    デプラは『真珠の耳飾りの少女』(03)、『シリアナ』(05)のゴールデングローブ賞ノミネートを
    経て『The Painted Veil』(06)で同賞受賞、『クィーン』(06)でアカデミー賞ノミネート、と最近
    勢いづいているので、『ベンジャミン・バトン』で念願のオスカー初受賞という可能性も大。

    ラフマーンは「『ムトゥ踊るマハラジャ』(95)の音楽の人」として有名ですが、最近は
    クレイグ・アームストロングと共同で『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)の音楽を
    担当していたりします。アカデミー賞は非西洋圏の音楽を高く評価する傾向があるので、
    その線から受賞という流れになるかもしれません。もしくは作曲賞ではなく歌曲賞の方で
    受賞する可能性もあり。

    JNHとニューマンは共に「無冠の帝王」といった様相を呈しておりますが、二人とも才能の
    ある作曲家である事に疑いの余地はありません。ただ、『ディファイアンス』は思ったより
    賞レースで話題にならなかった事、『WALL・E』はアニメ作品である事が「ノミネートまでは
    アリだけど受賞はねぇ…」と判断される要因になりそうな気もします。

    『ミルク』は先日試写で観て参りましたが、素晴らしい映画でした。エルフマンの音楽も
    すごく流麗なスコアで、終盤の音楽は切なくて泣けました。音楽のクオリティは申し分ありません。
    ただ、『ミルク』は実在のゲイの活動家を描いた作品なので、保守派の評価がどうなるかが
    運命の分かれ道といった感じです(音楽の評価にはそれほど影響ないかもしれませんが)。

     

    個人的には『WALL・E』と『ミルク』のサントラ盤の仕事をしたので、どちらかの作品に
    受賞して貰いたいのですが、私情を挟まずに受賞結果を予想するなら、

    本命:アレクサンドル・デプラ
    対抗:A.R. ラフマーン
    大穴:ダニー・エルフマン

    …ではないかな、と思います(ハズレたら恥ずかしいなぁ)。

    去年の予想(『つぐない』(07)のダリオ・マリアネッリ)は当たったんだけど。
    皆様の予想はいかがでしょうか?

     

       

    Tags: , , , , ,

  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2008.12.07 コメントは受け付けていません。

     

     

     
    ピクサー最新作『WALL・E / ウォーリー』が遂に劇場公開になりました。

    ワタクシがサントラ盤ライナーノーツの仕事でマスコミ試写に行ったのが9月18日。
    あまりにもいい映画だったので、もう一回観たいな~と思ったら、仙台では字幕版の
    劇場公開がMOVIX仙台のみで、しかも上映は1日2回だけ(12/7現在)。ううむ、
    日本語吹替えの上映がデフォルトなのか。字幕で観たいんだけどな…。

     

    ま、それはさておき。映画について既にあちこちのブログやwebサイトで語られて
    いるとは思いますが、ゴミ処理ロボット・ウォーリーがとにかく健気で泣けるんです。
    友達のゴキブリくん一匹以外誰もいなくなった地球で黙々とゴミを圧縮・整理する
    作業に勤しみ、ゴミの中から自分だけの宝物を探す姿は、ウォーリーの愛らしい
    仕草のおかげで、寂しそうだけど実は結構楽しんでいるんじゃないかと思えてしまう
    のです。何ともいじらしい。

    仕事を終えて帰宅したら、キャタピラを脱いで家に上がる仕草なんざ、お行儀の良さに
    思わず褒めてあげたくなります。

    で、その旧型ロボットのウォーリーは地球に降りてきた探査用新型ロボットのイヴに
    一目惚れするわけですが、プレス資料によるとイヴは「真っ白に輝くピカピカのボディ
    を持った”天使”」というような事が書かれてあります。しかし彼女はヒロインと言うより、
    どっちかというと「姐さん」的なキャラで、おもむろにキャノン砲をブッ放したり、ウォー
    リーの部屋でドッカンドッカンと重たそうな音を立ててダンスを踊ったり、ウォーリーの
    宝物を壊してしらばっくれてみたり、結構ガサツな一面があるんですな。

    言うなれば「ちょっと気の強そうな年上のお姉さんと、彼女に一目惚れして、気を惹く
    ためにあの手この手でアプローチを試みる純朴な少年のラブストーリー」といった感じで、
    ウォーリーの一生懸命な姿と「無償の愛」に胸を打たれるんですよ、これが。柄にもなく
    「純愛っていいなぁ」と思ったり。

     

    ちなみに29世紀のアメリカはBNLという巨大企業が国を動かしているという設定なの
    ですが、実際にありそうな話ではないかと思います。つい最近も、アメリカの自動車
    業界ビッグ3が公聴会で政府に向かって「俺たちに公的資金を導入しないと国の
    経済がとんでもない事になるぜ」と脅しをかけている姿がTVで放送されていましたが、
    アレを観ていると「巨大企業のほうが政府より力があるんだろうな」と思わずにはいら
    れません。結局、公的資金を導入する方向に進んでるみたいですし…。

     

    話が逸れましたが、『WALL・E』の音楽はアンドリュー・スタントン監督と『ファインディ
    ング・ニモ』(03)で仕事をしたトーマス・ニューマンが担当しています。基本的に全編
    オーケストラを使ったスコアなのですが、普通SF映画で使わないような民族楽器
    (ジュンジュンとかエオリアン・ハープとかヴァリハとか…)を大量に導入しているあたりが
    実にニューマンらしいのではないかと思います。聴いていて気持ちいい曲、トボけて
    いて微笑ましい曲、シンフォニックな曲などバリエーションも豊富で、もちろんウォーリー
    お気に入り『ハロー!ドーリー』(69)の挿入歌も収録されています。

    日本盤はテーマ曲「Down to Earth」の歌詞対訳がついているので、詞の内容が
    気になった方はぜひぜひエイベックスより発売中の日本盤サウンドトラックを
    お買い求め下さい。

     

    『ウォーリー』オリジナル・サウンドトラック

    音楽:トーマス・ニューマン
    品番:AVCW12706
    定価:2,600円

     

       

    Tags: , ,

カレンダー

2010年9月
« 8月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

Search

月別アーカイブ

Unleash the FOZZY!!

FOZZY / Chasing the Grail
WWEのスーパースター、クリス・ジェリコのハードロック・バンドが5年ぶりのニューアルバムをリリース!日本盤のみボーナストラックを2曲追加して4月14日いよいよ発売!

amazonで購入するにはコチラ!
iTunes Music Storeで購入するにはFozzy - Chasing the Grail - アンダー・ブラッケンド・スカイズから!

Available now!

Charlie DeChant / Like the Weather
ダリル・ホール&ジョン・オーツ・バンドの名サックス・プレイヤー、チャーリー・デシャントの2ndオリジナル・アルバム! スムース・ジャズ/フュージョン系の流れを汲む、スタイリッシュでソウルフルな全13曲。

amazonで購入するにはコチラ!