
先日、日曜洋画劇場で『ホステージ』(05)を放送していたのでずっと観ていたのですが、いやー久々に「濃い」吹替えキャストだったので面白かったです。
主な配役は以下の通り。
先週仕事で忙しくて観に行けなかった『トランスポーター3 アンリミテッド』(08)をようやく鑑賞。
個人的にこのシリーズは嫌いじゃない(というか、好き)なので、それなりに楽しんで観たのですが、なぁぁんか今回は乗り切れない部分がありました。ま、前作『トランスポーター2』(05)のやりすぎアクション描写が面白すぎたというのもありますが、見せ場でハジケっぷりがちょっと足りなかった印象です。
それでもジェイソン・ステイサムは相変わらず頑張っているし(スーツ姿のままチャリンコでアウディをチェイスするシーンが出色)、カースタントもイカすのに何でかなー、と思ったのですが、やっぱり既にあちこちで書かれているように「ヒロインに魅力がない」という部分が大きいようです・・・。
何というか、ハスッパなの。聞けば今回のヒロイン・ヴァレンティーナを演じたナターリア・ルダコワは、NYのヘアサロンで美容師として働いていたところをリュック・ベッソンにスカウトされて、演技のレッスンを6ヶ月受けてこの映画のオーディションに参加して役をゲットしたそうな。ま、早い話がベッソンにナンパされたという事ですかね。ホントにベッソンはこういうハスッパ系の女子とかモデルが好きなんだなー、と改めて思いました。
ステイサム演じるところのフランク・マーティンは、己に厳しいルールを課して仕事をこなす、ある意味「ストレート・エッジ」な男なので色恋沙汰もNGなんですが、今回はそのルールを破ってしまいます。だから今回のヒロインは「あの禁欲主義的なフランクですら虜にしてしまう程の美貌の持ち主」でなければいけないと思うのですが、ルダコワさんではちょっとその点で説得力に欠けるかな、と。
前作で色っぽい人妻(アンバー・ヴァレッタ)の甘ーい誘惑にギリギリのところで耐えたフランクなのに、何故この人で?? ・・・と思ってしまうんだなぁ。1作目のスー・チーも可愛かっただけに、なおさらそう思うのです。そこらへんがちょっと残念な3作目でございました。ま、ベッソンさんも映画を作る時は公私混同も程々にお願いしますぜ、って感じです。
しかしそのマイナス面を補ってくれるのが、我らがロバート・”ティーバッグ”・ネッパーの怪演でございます。『プリズン・ブレイク』のねちっこい爬虫類的な演技ともひと味違った、洗練された悪役演技を見せてくれます。ネッパーさん、売れっ子になって嬉しい限りです。スーツも似合うし、意外な事に今回はなかなかカッコイイです。日本語吹替えも若本規夫氏で決まりだぜ。
さて本作の音楽はというと、前作に続いてアレクサンドル・アザリアが担当してます。1作目の音楽担当としてクレジットされているのはスタンリー・クラークですが、アザリアもREPLICANT名義で楽曲提供しているので、実質全シリーズの音楽を担当している事になります。例の耳に残るテーマ曲も使われていて、アクション・スコアとしても聴き応えアリ。ハリー・グレッグソン=ウィリアムズとか、ブライアン・タイラーの音楽をフランス風に味付けするとこんな感じになるのかな、というタイプのサウンドです。
サントラ盤はフランスのWagramというレーベルから発売になっていますが、ランブリング・レコーズさんが日本での販売を担当しています。なので、地方都市のCDショップだと入手困難なフランス盤も比較的容易に入手可能です。
Eveが歌うエンドクレジット曲”Set it on Fire”やHoly Golightlyの”Wherever You Were”、Tricky、Birdy Nam Nam、Benjamin Thevesの楽曲も収録した全17曲。とりあえずアクション・スコア愛好家の方は押さえておきたい一品かと。
『トランスポーター3 アンリミテッド』オリジナル・サウンドトラック
音楽:アレクサンドル・アザリア
品番:RBCX-7360
定価:2,625円
Tags: Alexandre Azaria(アレクサンドル・アザリア), サウンドトラック, ジェイソン・ステイサム, ランブリング・レコーズ, ロバート・ネッパー
前回シーズン1と2について書いてからちょいと間が空いてしまいましたが、本日は『プリズン・
ブレイク』のシーズン3と4に関する他愛のないお話でございます。
シーズン1で脱獄ドラマ、シーズン2で『逃亡者』のようなドラマ展開を見せた同シリーズですが、
シーズン3はパナマの刑務所”SONA”を舞台に再び脱獄ドラマに戻りました。
しかしまぁ、SONAはフォックスリバーの上を行く劣悪な環境の刑務所ですな。「ムショ内に刑務官が
おらず、ボス格の囚人ルチェロが所内の悪党を全部仕切っている」という設定がナイス。ムショの
モメ事は当事者同士が決闘して解決。すなわち死んだ奴が負け! 何て分かり易いルールでしょう。
そのSONAにはマイケルが収監されてしまうわけですが、マホーンとベリック、ティーバッグも一緒。
何とかして塀の外からマイケルを助けようとするのは、前シーズンで力仕事専門だったリンカーン
というのがなかなかスリリングです。マイケルに比べると明らかに頭脳の点で劣るので、「ホントに
リンク兄貴で大丈夫かいな」と、見ていて非常にハラハラするのです。案の定、「組織」のスーザン
(本名グレッチェン・モーガン)を出し抜こうとしちゃあ失敗するし。
ま、「マイケルやリンクが考えた作戦が、必ずしも成功するとは限らない」というのが
このシリーズの面白さでもあるわけですが。SONAでのマイケルとその仲間(?)たちの
騙し合いも面白いし。
シーズン3の見所は、キャラクターの人間関係のビミョーな変化ですね。その正義感の強さ故に、
道を踏み外して組織の手先に成り下がってしまったマホーンの悲哀とか、前半はそのマヌケな
言動で相変わらず笑いを取りつつも、「サラが×された」という話を耳にした途端に心変わりする
ベリックの人間くささとかの描写がよい感じ。でもティーバッグは相変わらず。ルチェロに
取り入る時の卑屈な演技はいつ見ても笑える。ロバート・ネッパーの芝居は原語(字幕)と
若本規夫氏の吹替えで違った味わいがあるので、一粒で二度おいしい(←古い表現)感じです。
シーズン4はと申しますと、日本ではまだ後半のDVDがレンタル開始になっていないのであまり
詳しい事は書きませんが、脱獄ドラマから一転、『スパイ大作戦』とか『特効野郎Aチーム』のような
ドラマ展開になります。
「こりゃちょっと唐突すぎないか?」とか、「今まで自由を求めて警察とかFBIから散々逃げ回って
いたのに、結局国家権力の手先になっちゃうわけ?」などと最初のうちは違和感があったのですが、
これはこれで結構楽しめて見られてしまうんだな。
特にマホーンとリンカーンが和解するエピソードとか、目立った活躍のなかったベリックが人生
最大の男気を見せるエピソードとか、泣ける展開が多くて、なかなかアツいシーズンになってます。
ドラマを見ていて目頭が熱くなったのは久しぶりでした。
唯一気になったのは、シーズン4になってマイケル(というかウェントワース・ミラー)がちょいと
太めになった事ですかね。彼の持病が悪化して任務遂行に支障が・・・というのがシーズン4の
ドラマのキモになっているのに、ぽっちゃりして病的に見えないというのはどうしたものか。後半の
エピソードになったら痩せるんだろうか。
・・・というわけで、前作に引き続き、ランブリング・レコーズさんからシーズン3と4の代表的なスコアを
コンパイルしたサントラ盤が7/22にリリースになります。音楽のノリはこれまでのシーズンとほとんど
一緒。耳慣れたメロディーが違うアレンジで演奏されたりするので、前作のリミックス・アルバム的な
楽しみ方もできそうな気がします。”Dirt Nap”とか”Fin Del Camino”、”Breaking and Entering”
などはなかなかカッコいい感じのスコアではないかと。
今回はシリーズ完結記念ということで、日本版ブックレットには音楽担当のラミン・ジャワディ氏の
コメントが載っています。
ジャワディ氏の好きな登場人物とか、作曲者本人が語る『プリズン・ブレイク』の音楽の魅力とか、
作曲にまつわる苦労話とか何とか話してくれましたので、ぜひぜひ国内盤をよろしくお願い致します。
日本のファンへのメッセージ&サイン(印刷だけど)も付いてますので。
『プリズン・ブレイク Season 3 & 4』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ラミン・ジャワディ
品番:GNCE-7058
定価:2,625円
Tags: Ramin Djawadi(ラミン・ジャワディ), サウンドトラック, ランブリング・レコーズ, ロバート・ネッパー
今月から『プリズン・ブレイク』ファイナル・シーズンのレンタル開始という事で、
ドラマをずーっと観てきたワタクシなどは、何かこう、最終シーズンを迎えて
感慨深いものがありますな。
実はワタクシ、ランブリング・レコーズさんからリリースになっている『プリズン・
ブレイク』のサントラ盤(シーズン1と2の音楽を収録)のライナーノーツを書かせて
頂いたのですが、その際に何度も何度も本編を観たせいか、キャラクターに愛着が
湧いてしまいました。大半がフダ付きの悪党なのに(笑)。
視聴者人気が高いキャラは誰なんだろう。うーん、マリクルースひと筋で義理堅い
チンピラのスクレ(アマウリー・ノラスコ)とか、ロバート・ネッパーの怪演と若本規夫氏の
強烈な日本語吹替えの相乗効果でキャラが立ちまくりのティーバッグとか、もともと
隠れファンの多かったウィリアム・フィクトナーが演じるマホーン捜査官あたりでしょうか。
個人的には、彼らに加えてベリック(ウェイド・ウィリアムズ)にも注目してます。この人、
自業自得とはいえ刑務官→賞金稼ぎ→囚人と波乱の人生を送るハメになって実に
哀れを誘うんですが、結構間が抜けていて言動が笑えるところがミソかな、と。
シーズン3の話になりますが、パナマの刑務所でズルして決闘で勝ってしまうくだり
なんかは、ベリックの憎めない小悪党ぶりがうまく出ていてナイス・エピソードです。
この人に今後どういうドラマが用意されているのか、密かに楽しみだったりします。
さて『プリズン・ブレイク』の音楽なのですが、ハンス・ジマーの主宰する音楽家集団
「リモート・コントロール」所属のラミン・ジャワディが担当しています。『Mr.ブルックス
完璧なる殺人鬼』(07)や『アイアンマン』(08)など、このドラマの仕事を経て一気に
売れっ子になりましたな。
サントラ盤にはシーズン1と2の代表的なスコアが収録されているのですが、ドラマの
主要キャラはシーズン1でほぼ全員出揃っているので、いわゆる彼らのテーマ曲的な
音楽はCDにほとんど収録されています。
「プリズン・ブレイクのテーマ」とでも言うべき「Strings of Prisoners」を始め、ティー
バッグが画面に登場する時のフリーキーな曲(T-Bag’s Coming For Dinner)とか、
アコースティック・ギターを使ったスクレのテーマ曲(Sucre’s Dilemma)など、
4シーズン通して使われているメロディーも多々あります。
スコアの基本構成は「シンセ・ストリングス+打ち込みのリズム+生楽器(orサンプ
リング)」みたいな感じです。『プリズン・ブレイク』の音楽で最も耳に残る「♪ すきゃ
ぼぼぼー」という掠れたバンブー・フルートのような音も多分サンプリングで作ってます。
『24 -TWENTY FOUR-』のようにヒロイックなメロディーを聴かせるタイプの音楽では
ありませんが、「漢(おとこ)っぽさ」を感じさせる硬派なスコアという印象ですね。
渋カッコイイです。
ジャワディはクラウス・バデルトの『リクルート』(03)とかジマーの『バットマン ビギンズ』(05)
などの追加音楽を担当しているのですが、『プリズン・ブレイク』のサントラ盤を聴いてから
(追加音楽を手掛けた)別な映画のサントラを改めて聴き直すと、「ジャワディはこの曲
(あるいはスコアのこの部分)を担当したんじゃないの?」とピンと来る箇所が結構あります。
お手元にジマー/ジャワディ関連のCDのある方は、ぜひお試しあれ。
『プリズン・ブレイク』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ラミン・ジャワディ
品番:GNCE-7004
定価:2,625円
Tags: Hans Zimmer(ハンス・ジマー), Ramin Djawadi(ラミン・ジャワディ), サウンドトラック, ランブリング・レコーズ, ロバート・ネッパー
本日はweb上で賛否両論巻き起こっている映画『地球が静止する日』について。
この映画はロバート・ワイズ監督の古典SF作品『地球の静止する日』(51)のリメイク
なわけですが、冷戦下の核戦争の脅威を描いていた前作と異なり、今回は環境破壊
への警告がテーマとなってます。
例によって宇宙からの使者クラトゥ(キアヌ・リーブス)は「地球外文明の代表」として
地球にやって来るわけですが、リメイク版はこの時点で既にある「任務」を遂行する
気でいるので、核戦争を放棄するよう「説得」に来た51年版のクラトゥ(マイケル・
レニー)に比べると今回は非情な感じに描かれてます。
ま、それも無理ないかなと思うわけです。51年版同様、地球に降り立ったクラトゥは
おもむろに米軍に発砲されて負傷するし、「国の代表(=大統領とか)に会わせて
ほしい」と頼んでも拒まれるし、オリジナル版から57年経っても人類(特にアメリカ人)が
全然進歩していないんですな。相変わらず米軍は「未知なるもの」に攻撃を仕掛ける
ことしか考えてないし…。これだから「友好的な態度で説得を試みても聞く耳持たない
だろう」ってな発想になるのも分かる気がするのです。
で、クラトゥ氏は「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる」とのたまうワケですが、
これも何となく納得してしまうんですよ。特にアメリカは環境問題に取り組みたがら
ない国ですからね。そういえば『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でも、シャアは
アクシズを地球に激突させて人類を粛清しようとしていましたし、『機動戦士Vガン
ダム』ではタイヤ付き戦艦で地球上のあらゆる建造物をブッ潰す「地球浄化作戦」
なんてのもありましたな。「人類が生きている事自体、地球にとって有害である」
という発想は、割とよくある考え方なのかもしれません。
原作では、クラトゥが人類に警告を発するため、30分だけ世界中の電気をストップ
させるシーンが物語の中盤にあるのですが、今回のリメイク版ではその場面がラスト
シーンに移されているのです。これはヘレン(ジェニファー・コネリー)やバーンハート
教授(ジョン・クリース)が「危機に瀕したとき、人類は変わる事(進化)ができる」と
言った事を受けてのラストなのでしょう。
「そんなに人間が変われるというなら、この状況から変わってごらん」という、クラトゥ
から出された地球人への課題というか試練というか…そんな感じかな、と。「ここまで
切羽詰まった状況にならないと、人間って行動を起こさないモンかなぁ~」とも思うの
ですが、そういやワタクシ自身も来年の年賀状を数日前にやっと書き終えたばかり
でした。うーむ、そう考えるとなかなか深いメッセージだ(笑)。
映画の中身について言えば、キアヌのクラトゥ役はなかなかハマっておりました。
この人はこういう無表情なキャラクターを演じると神秘的な感じになりますからね。
薄幸のヒロインを演じたジェニファー・コネリーもステキでよかったなぁ。ウィル・スミスの
息子はちょっとイラっと来たのでノーコメント。
脇役で『プリズン・ブレイク』のロバート・ネッパー(ティーバッグ役の人)と、『24 -TWETNY
FOUR-』のロジャー・クロス(カーティス役の人)が軍人役で出てましたね。多分、ネッパー
の演じた軍人はバグの大群に巻き込まれてお亡くなりになったかと。
さて『地球の静止する日』の音楽といえば、バーナード・ハーマンのテルミンを使った
音楽が有名ですが、今回のリメイク版の音楽を手がけたタイラー・ベイツは、51年版は
意識せずに全くのオリジナル音楽を書き下ろしました。
今回、音楽についてもいろいろ書こうと思ったのですが、文章が予想以上に長くなった
ので「次回につづく」という事にさせて頂きます。
なお、国内版サウンドトラックCDはランブリング・レコーズより1/21に発売です。
『地球が静止する日』オリジナル・サウンドトラック
音楽:タイラー・ベイツ
品番:GNCE7040
定価:2,625円
Tags: Tyler Bates(タイラー・ベイツ), キアヌ・リーブス, サウンドトラック, ランブリング・レコーズ, ロバート・ネッパー




