• My Works, サントラ, 映画ネタ 2011.05.01 コメントは受け付けていません。

    unknown

     
    『アンノウン』(11)の音楽を担当したのはジョン・オットマン。本作のジャウム・コレット=セラ監督とは「パリス・ヒルトンが惨殺されるホラー」として有名な『蝋人形の館』(05)と、極悪少女の正体が強烈な傑作ホラー『エスター』(09)に続く3度目のコラボレーション。

     
    今回はサスペンス映画なので、前2作ほどホラー音楽の要素は強くありません。傾向としては『インベージョン』(07)の音楽に近いかな、と。シンセサイザーなども使っているのですが、あくまで隠し味程度に留めて、ピアノをフィーチャーした流麗なメインテーマはじっくりと、アクション・シーンはオーケストラでダイナミックに聞かせる感じの正統派サスペンス・スコア(ロンドンのエアー・スタジオ録音)。硬質な音のスコアはベルリンの寒々とした風景とも絶妙にマッチしています。なお共同作曲者としてアレクサンダー・ラッドという新進作曲家の名前がクレジットされているのですが、どのくらいスコアの作曲に関わっているかは不明です(詳細なクレジットもないし)。

     

     ピアノを使ったメインテーマ(CD1曲目の”Welcome to Berlin”)を聞くと、何となく『ユージュアル・サスペクツ』(95)の流麗なメインテーマを連想させる部分もあります。オケの編成が大きかろうが小さかろうが、インディー作品だろうがメジャー作品だろうがオットマン”らしさ”はしっかり出ていると思います。主人公マーティン・ハリスのアイデンティティーを巡る物語なので、音楽にも「アイデンティティーの喪失と探求」を暗示させる”仕掛け”がしてあるのが興味深いところ。まぁスコアの”仕掛け”についてここで書いてしまってもアレなので、詳しくは本編をご覧になって確認して頂ければと思います。その後サントラを聴くと「ああ、こういう事か」とお分かり頂けると思いますので。

     

    ちなみにサントラには収録されていませんが、劇中マーティンとジーナが追っ手から逃げる時に入ったクラブでニュー・オーダーの”Blue Monday”のリミックス・バージョンが流れてます。”Oliver Lang & Rob Blazye Remix”と銘打たれていますが、Oliver LangはクラブDJ役で顔を出しているというオマケつき。出番はほんの一瞬だった記憶がありますが。

      

    サントラ盤はランブリング・レコーズさんから5/11に発売になります。なかなかの力作に仕上がっていますので、是非ぜひお買い求め下さい。

     

    『アンノウン』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:ジョン・オットマン & アレクサンダー・ラッド
    品番:GNCE-7090
    定価:2,625円

     

     

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  • サントラ, 映画ネタ 2011.04.20 コメントは受け付けていません。

    below

     
    『ピッチブラック』(00)などでコアなファンの多いデヴィッド・トゥーヒー監督・脚本、そしてダーレン・アロノフスキーが脚本(原案)・製作を手掛けた2002年作品。第二次大戦中のアメリカ海軍潜水艦内を舞台にした密室スリラー映画。

    公開当時はあまりヒットしたという話は聞きませんでしたが、ザ・シネマで放送していたのを久々に見たら、結構面白かった。

     

    「潜水艦に女を乗せるのは不吉」というジンクスを上手く利用したオリヴィア・ウィリアムズのキャラの使い方とか、潜水艦という逃げ場のない場所でジワジワと精神を蝕まれていく乗組員の描写とか、事件の真相の見せ方(『羅生門』風と言えなくもない?)とか、クセ者脚本家ふたりの持ち味がよく出てるんじゃないかと。

    映画の中盤で「俺たちは独軍艦なんか沈めてないんだ。沈められたのは実は俺たちの方なのさ」なんて観客のオチ予測を先読みしたかのようなセリフを乗組員に言わせちゃうあたりも、ひねくれ者(多分)のトゥーヒーらしい脚本だなーと思ったり。

     

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2010.11.26 コメントは受け付けていません。

    amelia

     

    前回のブログでこの映画の見所のひとつとして挙げたのが、ガブリエル・ヤレドのオリジナル・スコア。
    というわけで、本日は『アメリア 永遠の翼』の音楽について少しばかりご紹介を。

     

    ヤレドといえば、ヨーロッパに比べるとハリウッドでの評価がイマイチ低い事で有名(?)で、最近だと『トロイ』(04)で公開直前になって音楽を差し換えられるというムゴい仕打ちを受けています。音楽の差し換えトラブルは『トロイ』以前にもあったし・・・。気の毒すぎます。何でこう、アメリカ人プロデューサーはヤレドの音楽のよさが分からないんだろう。

    そんなわけで、ヤレドは何となく「悲運の作曲家」という印象が強くて、彼の音楽を愛好する身としては何ともやりきれない気持ちになるのですが、この映画ではトレードマークとも言える美メロをたっぷりと聞かせてくれて、実に頼もしい限りです。

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2010.10.22 コメントは受け付けていません。

     crossing

     
    というわけで、前回のつづきで『クロッシング』に関するあれやこれやを。
    今日はサントラ盤の発売も近いので音楽について。

     
    アントワン・フークア作品の音楽と言えば、

    『リプレイスメント・キラー』(98):ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
    『ワイルド・チェイス』(00):マーク・マンシーナ
    『トレーニング デイ』(01):マーク・マンシーナ
    『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(03):ハンス・ジマー
    『キング・アーサー』(04):ハンス・ジマー
    『ザ・シューター/極大射程』(07):マーク・マンシーナ

     

    ・・・と、実に分かり易い作曲家の選び方をしています。この感じで行けば、今回の『クロッシング』もマンシーナか、あるいは他のRC系コンポーザーに落ち着くだろうと予想するわけですが、実際に白羽の矢が立ったのは『グッド・シェパード』(06)、『闇の列車、光の旅』(09)のマーセロ・ザーヴォスという意外な人選。「え?マンシーナじゃないの?」と、まずここで驚く。

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  • My Works, サントラ, 海外TVシリーズネタ 2010.09.07 コメントは受け付けていません。

    LOST_season5

     

    「見ている人は見ているけど、そうでない人は全く見ていない」

     

    『LOST』の人気の度合いをひとことで表すと、何かこんな感じのような気がする。「1シーズン終わっても肝心の謎が全く解明されない」という構成は、全ての物事において「過程」よりも「答え」を真っ先に知りたがる若い世代にはキツイものがあるのでしょう。シーズン1から話がずっと続いているので、過去のシーズンをスキップして「途中参加」出来ない作りになっているのも敷居を高くしている要因かな。

    メディアが喜んで取り上げそうな「小ぎれいなイケメン」がいないのも影響しているかもしれない。島に飛行機が墜落した人たちの話ですから、小ぎれいな身なりのわけがないんですが。イケメンがいないから見ない、という姿勢もどうかと思いますけど(ソーヤーとかカッコイイと思うんだけどな・・・ダメですか?)。

    てっとり早く一般ウケを狙うなら、『24 -TWENTY FOUR-』みたいにお笑い芸人の中から「LOST芸人」みたいな人が出てくれば話題になるのかもしれませんが、ジャック・バウアーのマネをする芸人はいても、ジャック・シェパードのマネをする芸人は皆無。ま、このドラマは扱うテーマが重いので、お笑いネタには不向きではあるのですが。もっとも、『LOST』のファン(筆者含む)はそんな薄っぺらい方法でドラマが話題になっても嬉しくないだろうから、結局今ぐらいの人気がちょうどいいのかな、と思ったりもします。

     

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