• サントラ, 映画ネタ 2009.05.12 コメントは受け付けていません。

     

    今から遡ること2年と数ヶ月前、ワタクシはフレイヴァー・オブ・サウンドの
    Nさんから『ディパーテッド』スコア盤のライナーノーツのお仕事を頂きました。

     

    名作『インファナル・アフェア』(02)のハリウッド・リメイクという事で、まぁオリジナル版を
    見て男泣きしてしまったワタクシには、不満な点も結構あったりするわけですが(やっぱり
    カソリック系の人種には「無間地獄」の概念が理解出来ないんだろうなぁ、とかいろいろ)、
    それでもこの映画は自分にとって特別な作品なのです。多分、これから先もずっと。

    何故かというと、このサントラの仕事でチャーリーさん(Charlie DeChant)と
    ご縁が出来たようなものだからです。

     

    ウチのレーベルから「Like the Weather」をリリースするにあたって、まぁ当然のように
    契約内容の交渉とか会社実績(ワタクシの場合ライター実績も含むのですが)を
    説明しなければいけなかったわけですが、

    「君はどんな映画のライナーノーツを書いてるんだい?」

    とチャーリーさんが訊ねた時に、

    「はぁ、『ディパーテッド』とかアレとかコレとかいろいろやってます」と答えたのが
    全ての始まりだったような気がします。(実際にはアレとかコレの映画もちゃんと
    タイトルを言いましたが)

     

    お手元にスコア盤がある方はご存じかと思いますが、ディパーテッドのスコアのレコー
    ディングには、80年代にホール&オーツ・バンドのサポートを務めていた凄腕ギタリストの
    G.E. Smithが参加しています(懐かしい・・・)。で、その事をチャーリーさんに説明した
    ところ、

    「この映画は何度もTVで見たけど、G.E.がギターを弾いているとは気がつかなかったなぁ。
    こりゃもう一回観ないとダメだな!」

    ・・・と、新鮮な驚きがあった様子でした。他にも

    「うーん、マーティン・スコセッシはいい映画を撮るよねぇ。そうそう、ハワード・ショアと
    言えば、サタデー・ナイト・ライブの音楽監督をやっていたんだが、レイ・チャールズが
    ゲストライブで出演した時の彼のホーン・アレンジが素晴らしかったんだよ」

    ・・・などなど、ショアについても熱く語っておりました。

     

    なかなか肝心の契約の話に行かなかったのですが、まぁ、『ディパーテッド』の
    おかげで契約も数日後にすんなりまとまったので、これはこれでOKかなと。
    まさかあのMr. Casualと映画トークをする事になるとは思いもしませんでした。
    これもいい思い出です。 

     

    この体験を通して思ったのは、自分の仕事がいつどこで、誰と、どう繋がって
    いくか分からないもんだなぁ、という事でした。

    だから、どんな職種であれ、仕事は一生懸命やっておいて損はないと思います。
    気持ちのこもった仕事をしていれば、きっとどこかで誰かと繋がっていくはずだと
    思いますので。 ・・・今月も仕事頑張らないとなぁ。

     

    ま、そんなわけで、『ディパーテッド』のスコア盤はG.E.スミスの他、ラリー・サルツマン、
    シャロン・イズビン、マーク・リボー(Mark Ribot)という技巧派ギタリストが4人も
    参加した究極のギター・アルバムに仕上がっております。ギターをたしなむ全国の
    老若男女は必携・必聴の1枚でしょう。

     

    スコセッシは『第三の男』(49)とか『契約殺人』(58)、『その男ゾルバ』(64)の音楽に
    インスパイアされて、この映画はギター・スコアで行こうと決めたそうです。
    「ワシはリメイク映画なんか撮ってていいんだろうか」と思いながら撮影していた
    らしいですが、そこはシネフィル。こだわるべき所は徹底的にこだわらないと気が
    済まないお人なんでしょうな。

     

    『ディパーテッド』オリジナル・スコア
    音楽:ハワード・ショア
    品番:PUCY2524
    定価:2,400円

       

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  • My Works, サントラ, 映画ネタ 2009.05.09 コメントは受け付けていません。

     
    今回はヴィン・ディーゼル兄貴久々の主演作『バビロン A.D.』のお話。

     

    日本版ポスターなどのメインビジュアルは割と『フィフス・エレメント』(97)的な
    近未来イメージになっておりますが、映画本編は何というかこう、もっと薄汚い
    荒廃した感じの世界です。何しろ「戦争やテロで秩序が崩壊した未来」という
    設定なので。世紀末的世界観を愛好する人には、結構グッと来るビジュアル
    かもしれません。

    物語はと申しますと、ディーゼル兄貴が演じる傭兵トーロップが、腐れ縁の
    マフィア・ゴルスキー(ジェラール・ドパルデュー)からの「オーロラっちゅー
    若い女をモンゴルの修道院からニューヨークまで運んでくれや」という
    明らかにヤバそうな依頼を受けた事から、壮絶な戦いに身を投じる事に
    なるというストーリーです(かなり大雑把ですが)。

     

    兄貴の仁義溢れる行動や、肉弾戦やスノーモービルを駆使したアクションなど、
    結構いい感じでストーリーが進みまして、「いいぞいいぞ」と思うんですが、
    なぁぁんか終盤の展開が強引&尻切れな感じなんですよね。

    明らかに途中のドラマをブッツリ切った感のある編集が気になって、どうにも
    居心地が悪いのです。特にラストがなぁ・・・。「そこで終わるのか?」という感じ。

     

    というのもこの映画、どうやらスタジオ側が勝手に短く編集したらしいんですな。
    上映時間90分なので、元々はあと10分か20分くらい長かったんじゃないかと。

    自分の作品を勝手にいじられたって事で、監督のマチュー・カソヴィッツは
    それはもう大激怒したそうです。映画の最終編集権が監督の手に行かない
    ような契約内容だったんでしょうか。気の毒としか言いようがありません。

     

    そんなわけで、大幅に時間を短縮された映画本編では結局何が言いたかった
    のか分からない部分もあるかと思います。その説明が足りない部分を補完
    してくれるのが、アトリ・オルヴァルッソンの音楽なんですな。

    アトリさんは『バンテージ・ポイント』(08)の音楽で名前が知られるように
    なった人で、ジマー軍団の一人です。

    『バンテージ・ポイント』の時は、デジタルビートをガンガン鳴らしたリズム
    重視のスコアを作曲していましたが、『バビロン A.D.』では一転、オーケス
    トラと合唱隊を導入して荘厳なミサ曲のようなスコアを書き下ろしています。
    これを聞いただけで「この映画、単なるアクション映画じゃないな」と思って
    頂けるハズ(ま、製作のゴタゴタのせいで本編はアレな出来でしたけど)。

    映画のクライマックスで流れる「Babylon Requiem」という曲が大迫力で、
    なかなか聴き応えがありますぞ。

     

    今回、スコアの中で「Agnus Dei」と「Dies Irae」というラテン語のミサ曲の
    歌詞を引用しているのですが、なぜこの2曲が選ばれたのかというのにも
    ちゃんと理由があるんですねぇ。さてその理由とは?

    ・・・申し訳ありませんが、それはランブリング・レコーズさんから発売中の
    日本版サントラCDをご購入頂いて、ライナーノーツを読んで頂ければと
    思います。いやーワタクシもライナーを書いた手前、CDを買って頂けると
    有難いので・・・。

    他にもアトリさんにインタビューして、いろいろ小ネタをいろいろ書かせて
    頂きましたので、買って損はさせません(笑)。ぜひぜひ国内盤をよろしく
    お願い致します。

     

    今日は映画館(泉コロナワールド)に行って、この映画のパンフレットを
    買ってきました。インタビューでお世話になったアトリさんに日本版CDと
    一緒に送る予定です。ライナーを英訳しないといけないから、先方に
    発送するまで数日かかるな、こりゃ。

     

    『バビロン A.D.』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:アトリ・オルヴァルッソン
    品番:GNCE-7047
    定価:2,625円

     

      

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  • My Works, サントラ, 海外TVシリーズネタ 2009.05.05 コメントは受け付けていません。


     

    今月から『プリズン・ブレイク』ファイナル・シーズンのレンタル開始という事で、
    ドラマをずーっと観てきたワタクシなどは、何かこう、最終シーズンを迎えて
    感慨深いものがありますな。

    実はワタクシ、ランブリング・レコーズさんからリリースになっている『プリズン・
    ブレイク』のサントラ盤(シーズン1と2の音楽を収録)のライナーノーツを書かせて
    頂いたのですが、その際に何度も何度も本編を観たせいか、キャラクターに愛着が
    湧いてしまいました。大半がフダ付きの悪党なのに(笑)。

     

    視聴者人気が高いキャラは誰なんだろう。うーん、マリクルースひと筋で義理堅い
    チンピラのスクレ(アマウリー・ノラスコ)とか、ロバート・ネッパーの怪演と若本規夫氏の
    強烈な日本語吹替えの相乗効果でキャラが立ちまくりのティーバッグとか、もともと
    隠れファンの多かったウィリアム・フィクトナーが演じるマホーン捜査官あたりでしょうか。

    個人的には、彼らに加えてベリック(ウェイド・ウィリアムズ)にも注目してます。この人、
    自業自得とはいえ刑務官→賞金稼ぎ→囚人と波乱の人生を送るハメになって実に
    哀れを誘うんですが、結構間が抜けていて言動が笑えるところがミソかな、と。

    シーズン3の話になりますが、パナマの刑務所でズルして決闘で勝ってしまうくだり
    なんかは、ベリックの憎めない小悪党ぶりがうまく出ていてナイス・エピソードです。
    この人に今後どういうドラマが用意されているのか、密かに楽しみだったりします。

     

    さて『プリズン・ブレイク』の音楽なのですが、ハンス・ジマーの主宰する音楽家集団
    「リモート・コントロール」所属のラミン・ジャワディが担当しています。『Mr.ブルックス
    完璧なる殺人鬼』(07)や『アイアンマン』(08)など、このドラマの仕事を経て一気に
    売れっ子になりましたな。

    サントラ盤にはシーズン1と2の代表的なスコアが収録されているのですが、ドラマの
    主要キャラはシーズン1でほぼ全員出揃っているので、いわゆる彼らのテーマ曲的な
    音楽はCDにほとんど収録されています。

     

    「プリズン・ブレイクのテーマ」とでも言うべき「Strings of Prisoners」を始め、ティー
    バッグが画面に登場する時のフリーキーな曲(T-Bag’s Coming For Dinner)とか、
    アコースティック・ギターを使ったスクレのテーマ曲(Sucre’s Dilemma)など、
    4シーズン通して使われているメロディーも多々あります。

    スコアの基本構成は「シンセ・ストリングス+打ち込みのリズム+生楽器(orサンプ
    リング)」みたいな感じです。『プリズン・ブレイク』の音楽で最も耳に残る「♪ すきゃ
    ぼぼぼー」という掠れたバンブー・フルートのような音も多分サンプリングで作ってます。

     

    『24 -TWENTY FOUR-』のようにヒロイックなメロディーを聴かせるタイプの音楽では
    ありませんが、「漢(おとこ)っぽさ」を感じさせる硬派なスコアという印象ですね。
    渋カッコイイです。

     

    ジャワディはクラウス・バデルトの『リクルート』(03)とかジマーの『バットマン ビギンズ』(05)
    などの追加音楽を担当しているのですが、『プリズン・ブレイク』のサントラ盤を聴いてから
    (追加音楽を手掛けた)別な映画のサントラを改めて聴き直すと、「ジャワディはこの曲
    (あるいはスコアのこの部分)を担当したんじゃないの?」とピンと来る箇所が結構あります。

    お手元にジマー/ジャワディ関連のCDのある方は、ぜひお試しあれ。

     

    『プリズン・ブレイク』オリジナル・サウンドトラック
    音楽:ラミン・ジャワディ
    品番:GNCE-7004
    定価:2,625円

     

      

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  • Favorite Music, アーティスト情報 2009.05.02 コメントは受け付けていません。

     

    先月は『ボルト』と某サントラ・ベスト系のCDのライナーノーツ製作、
    そして『Like the Weather』のプロモーション活動を掛け持ちしたせいか、
    何だかとっても疲れました。

    でも、比較的「心地よい疲労」というんでしょうかね。それなりに
    働いた達成感のようなものが感じられる数週間でございました。

     

    CDのプロモでは、行く先々でいろんな方に「チャーリー・デシャント
    というのはこういう人ですよ」と説明するわけですが、「ホール&
    オーツのサックスの人」と言うと「ああハイハイ! あの人ですねー」と
    よい反応をしてくれる方が大多数。名前は知らなくても、彼の存在は
    知っているという感じですね。

     

    宣伝しながら気がついたのは、皆さんホール&オーツの話になると
    すごく楽しそうになるという事。学生の頃ライヴに行った事があるとか、
    「Kiss on My List」のPVのダリルさんに当時萌え萌えだったとか、
    オーツさんのソロ曲は「Italian Girls」がベストとか、皆さんそれぞれ
    思い出深い曲があるんですね。

    で、曲にまつわる思い出話をしていくうちに、ついつい営業を忘れて
    長話になってしまうという・・・。

    「史上最高のポップ・デュオ」という肩書きはダテじゃないな、と
    改めて思いました。

     

    そんなわけで、本日はホール&オーツの名曲「Maneater」のPVをご紹介。
    当たり前なんですが、皆さんお若いです。

    そういえば、初期の『Live From Daryl’s House』で「Maneater」のレゲエ・
    ヴァージョンを演奏していた回がありましたが、あれもなかなか新鮮な
    感じでよかったですね(バンド編成の都合上、チャーリーさんのソロ
    パートはないんですが)。

     

    この曲、某番組で「♪俺 困ーらなぁーい」という空耳投稿があったそうで。
    あと「♪大井歯科 終わっちゃうっぽーい」っていうのもあったかな?

     

    ・・・確かにそう言ってる(ように聞こえる)よなぁ。ダリルさんには悪いけど。

      

       

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