
遅ればせながら、『(500)日のサマー』(09)を見てきました。先月はいいタイミングで東京出張がなかったので、「こりゃDVDになるまで待つしかないか」と半ば諦めていたのですが、いやー仙台の劇場でこの映画が観られるとは、まだまだ仙台も捨てたもんじゃないな。
映像とか音楽とかパッと見オシャレそうな映画なのですが、描いている事と言えば「男の視点から見た、恋に夢を見すぎた男の恋愛失敗談」ってな感じで、なかなか見ていて身につまされるものがございました。結構グサッと来る。
詳しくは本編を観て頂くとして、そりゃサマーたんみたいな女子から「私もザ・スミス大好きよ!」なんて言われたら、世の文系男子は「この出会いは運命だ!」と思ってしまうよなー。僕だって、「いま聴いてるの”My BrightTomorrow”でしょ? 私もユキヒロさんの曲大好き!」なーんて女子から言われたら、その子に夢中になってしまうだろうし。ま、幸か不幸かそういう人には今までの人生で会った事はありませんが。
しかしまぁ、この映画は見せ方がいちいち文系男子のツボを突きますな。IKEAのデート・シーンをわざわざ「関係が冷め切った頃」と「交際順調だった頃」を交互に見せてみたり、スプリット・スクリーンを使ってトムの脳内の”EXPECTATIONS (期待)”と、実際に直面する”REALITY (現実)”を同時進行で見せてみたり、たぶん人によってはこういう演出が「気取りやがって」と鼻につくのだろうけれど、この映画に関しては殊更そういう感じはしなかったような。ちなみに、メイン・タイトルとあの日付カウントのシークエンスをデザインしたのは、Imaginary Forcesでした(エンドクレジットで確認)。どおりでオシャレなわけだ。
僕としてはホール&オーツのネアカ系ポップ・ソング”You Make My Dreams”がどこで使われるか興味があったのですが、やっぱりあのシーンだったか。もう曲タイトルのまんま。結構長い時間かかってたので、劇中使用曲の中でもかなり目立っていた印象。
ま、歌モノに関してはあちこちで語られていると思うので、ここではスコアについて書かせて頂きます。
こういう「始めに歌モノありき」な映画だとオリジナル・スコアがないがしろにされがちなのですが、思った以上にスコアがきちんと使われてました。素晴らしい。
作曲はマイケル・ダナとロブ・シモンセンの2人。シモンセンはダナの一番弟子的なミュージシャンのようです。マイケル・ダナの音楽はミニマリスティックな曲構成やメロディー、アレンジ(チェレスタ/鉄琴風の音とか木管の使い方)にかなり特徴があるので、一聴しただけでこの人の音楽だとすぐに分かります。今回の音楽は『偶然の恋人』(00)のノリに近いかな。歌モノとも相性が良いポップス・インストゥルメンタル的なサウンド。文系男子とマイペース女子のドラマに相応しい、愛らしい感じの音楽です。ちょっと切ない所がミソ。
マイケル・ダナはアトム・エゴヤン監督作品のように「悩める主人公が登場する映画」の音楽を手掛ける事が多いのですが、なるほど確かに今回のトムも「悩める主人公」だったなーと思った次第。この作曲家の人選もきちんと考えられたものだったというわけです。
ちなみにスコア盤はiTunesでのみ購入可能。こういういい作品はちゃんとCDで出してくれよ、とつくづく思うのでした。これだから大企業は嫌だ。いつも言ってる事だけど、形に残らないものってのは情緒がないやね。









