
この『フォース・カインド』(09)という映画、先月上旬に内覧試写を観に行った時には
貰った資料に12/23(水)公開予定と書いてあったんですが、どうやら18日(金)に
変更になったようですな。
プレス資料の裏に「ネタバレになるような表現を使用されての(記事・宣伝の)ご掲載に
関しましてはご配慮下さい」と書いてあるので、その言いつけを守るとなると、非常に
紹介が困難な作品なんですよねー。でもまぁ、その辺に気をつけてあれこれ書いて
みたいと思います。
勘のいい方やTVシリーズの『X-ファイル』を観ていた方なら、『フォース・カインド』という
映画のタイトルを聞いた時に「あぁ、あのネタを扱ってるのね」とピンと来るのではない
かと思います(タイトルの「フォース」は”force”じゃなくて”fourth”です。念のため)。
で、映画本編はその実際に起きたとされる「事件」の記録映像と、俳優による再現ドラマ
で構成されていると。こういう演出はTVではよく見かけますが、映画じゃちょっと珍しい
かな、と。映画が始まって早々にミラ・ジョヴォヴィッチが「ナビゲーター」として登場して
本編の解説を始めたり、記録映像と再現ドラマを分割画面で同時に流してみたり、事件の
当事者・タイラー博士のインタビュー映像を話の途中で挟み込んでみたり、かなり手の
込んだ見せ方をしてくれています。
ジョヴォヴィッチが劇中で演じるのは心理学者のアビゲイル・タイラー博士役。いつもの
彼女だったら、バケモノが出てこようものなら蹴りの一つも喰らわしてくれそうな気もしま
すが、今回は見ていて気の毒になるくらい心身共にボロボロになる薄幸の女性を演じ
ております。『クラッシュ』(96)のイライアス・コティーズは同僚の心理学者役。『追いつめ
られて』(87)のウィル・パットンは地元の保安官役でした。
ワタクシの中ではこの映画の「しかけ」というか、「ああ、こういう事をやりたかったんだな」
という意図のようなものが何となく分かった気がするのですが、先ほど上で書いた通り、
ネタバレ厳禁なのでここでは核心に触れないでおこうと思います。映画を観た後で、皆さん
なりにテーマを解釈をして頂くのが一番よろしいかと。
ちなみに、映画の公式サイトで12/11から「TVで放送するには怖すぎてお蔵入りになっ
た未公開CM」の動画を午前3時33分~4時33分の1時間限定で公開しているとの事。
気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
公式サイトURL
http://wwws.warnerbros.co.jp/the4thkind/
監督・脚本はオラトゥンデ・オスンサンミ(←スゴイ名前だ)。この人、画面が暗くて何が
写ってるんだかさっぱり分からないC級映画『ザ・ケイヴ』(05・未)を撮った監督でした。
ハッキリ言ってアレは酷い映画だった・・・。なもんで、今回も仕上がり具合が若干不安
だったのですが、さすがにキャスト・スタッフに一流どころが揃うと出来が違うというか、
成長の跡が見られます。監督本人も記録映像でタイラー博士にインタビューしてるし、
やる気満々です。
で、もうひとつ凝りに凝っているのがアトリ・オルヴァルッソンの音楽。『バンテージ・ポ
イント』(08)、『バビロンA.D.』(08)に続いて今回も国内盤ライナーノーツ用にアトリさんに
インタビュー出来たのですが、いやー実に興味深い話がいろいろ聞けました。なぜドゥ
ドゥクやタブラのような民族楽器を使ったのかとか、人知を越えた超常現象をいかに
音楽で表現するべきかとか、アトリさんの中身の濃い話を聞いていて、今回のオリジナ
ル・スコアは映画のテーマを徹底的に掘り下げた結果出来上がったものだったんだなーと
感銘を受けました。
端から見ればこの映画も「娯楽映画」って事になると思うのですが、アトリさんはこの
映画のテーマに真剣に向き合っていて、「娯楽映画なんだし、まぁここはこんな感じで
いいだろ」みたいに妥協して曲作りをするような事がなかったのではないかと。インタ
ビュー回答を訳していてそう思った次第です。ひと言で言うと、「深い」音楽なんですね。
アトリさんがどういう事を語ったのか興味のある方は、ぜひランブリング・レコーズから
12/23リリースになる国内盤のサウンドトラック盤をお買い求め下さい。ブックレットに
貴重なインタビューの詳細が載っておりますので、よろしくです。
『フォース・カインド』オリジナル・サウンドトラック
音楽:アトリ・オルヴァルッソン
品番:GNCE-7069
定価:2,625円







