• the time traveler's wife

     
    昨日は映画館に行ったら、映画の日でも何でもないのにチケット売り場に行列が。何でかなー
    と思ったら、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の公開初日だったんですね。

    自分が観に行ったのは『THIS IS IT』ではなく『きみがぼくを見つけた日』(09)だったので、
    本日はそのお話をダラダラと。

     
    この映画、原題は『The Time Traveler’s Wife』なんですが、何だかずいぶん特徴のない邦題に
    なってしまいました。ま、既に原作小説がある作品ですし、過去に『タイムトラベラー きのうから
    来た恋人』(99)という映画もあったので、今回「タイムトラベラー」という言葉が使えなかったのかも
    しれません。時空旅行がキーの話だけに、ちょっと第一印象で損をしているような気がします。

    本作は「自分の意思とは関係なく、日常生活中に突然、不特定の場所・時間に時空旅行して
    しまう」という特異体質を持った男ヘンリー(エリック・バナ)と、幼い頃に彼と運命的な出会いを
    果たした良家のお嬢様クレア(レイチェル・マクアダムス)の悲恋ドラマ。「自分の意思とは関係
    なく云々」というのは、『LOST』第4シーズンのデズモンドのような感じですかね。

     

    ひと昔前までは、こういうタイムトラベル作品(例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ)は
    「過去を変えたら現在や未来はどうなる?」というタイムパラドックス的な要素が物語の重要な
    ポイントになったわけですが、『LOST』といい本作といい、どうも最近は「起きてしまった過去の
    出来事は変えられない」という考え方が浸透しつつあるようです。

    本作の脚本(=脚色)を手がけたのが『ゴースト/ニューヨークの幻』(90)、『ジェイコブス・ラダー』
    (90)などのブルース・ジョエル・ルービンという事で、映画の後半から独自の死生観に基づいた
    運命論的な話になります。「この世での死が全ての終わりではない」というような展開は、過去の
    作品のテーマと共通するものがあるような気がしました。

     

    ・・・と、まぁ異色の恋愛ドラマが展開する本作ですが、物語の世界を異色たらしめているのは
    マイケル・ダナの音楽によるところも大きいのではないかな、と自分は思います。ピアノや弦、
    木管で奏でられるミニマリスティックなメロディーは甘すぎず冷たすぎず、劇伴として実にいい
    感じのバランス。登場人物の心理状態を観客に想像させる余地を残しているので、感動を強要
    するような押しつけがましさがない。言わば和食のような慎ましい味わいの音楽。『17歳のカル
    テ』(99)とか『偶然の恋人』(00)の音楽も抑えた感じで良かったもんなぁ。

    サントラ盤には、ヘンリーとクレアの結婚式のダンス・パーティーの場面で流れる”Love Will
    Tear Us Apart”(Joy Divisionのカヴァー)も収録。この曲がこういう風に化けるとは思わな
    かった。ムード歌謡風というのでしょうか。ちょっと衝撃。

    CDの最後にLifehouseの”Broken”が収録されていたので、てっきりエンドクレジットで使われる
    のかと思いましたが、エンドクレジットはスコアのメドレーでした。この曲はイメージソングという
    扱いなんでしょうか。もっとも、今回はダナのスコアで〆て正解だったと思いましたが。

     

       

    Posted by mol @ 4:19 PM

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