
先日観た続編は(個人的に)イマイチでしたが、やっぱり『アドレナリン』(06)第1作は面白い。映画館でも観たし、DVDも持っているけど、スターチャンネルとかで放送しているとつい観てしまいます。くだらなくてもいいんです、面白ければ。
この映画のドコが素晴らしいって、まず「アドレナリンを出し続けないと即、死亡!」という一発ネタをうまく昇華させ、94分の物語を退屈させずに一気に見せてしまうネヴェルダイン/テイラーのコンビ監督コンビのパワーがお見事です。
そしてアドレナリンを出すためなら何でもやる男、シェブ・チェリオスにジェイソン・ステイサムをキャスティングしたセンスが秀逸。こういう役をジョニー・ノックスヴィルとかウィル・フェレルにやらせても「いかにも」な感じというか、「コイツならそのぐらいやるだろう」と想像がつくので、多分面白くなかったと思うのです。無骨なステイサムが大真面目な顔で過激かつイカレた行動を取る事によって、コメディアンでは出せない絶妙な笑いの要素が生まれたわけです。
で、またステイサム以外の出演者の皆さんもテンションが高いのなんの。シェブに毒を盛った張本人ヴェローナ(ホセ・パブロ・カンティーロ)やスケベなヤミ医者のドク・マイルズ(ドワイト・ヨーカム)、女装趣味のあるケイロ(エフリン・ラミレッツ)、天然キャラのイヴ(エイミー・スマート)のような助演キャラから、瞬殺されるチンピラやタクシーの運ちゃんのような脇役に至るまで、キャラが立ちまくり。多分、今後他の映画で彼らを見かけても「あ、この人『アドレナリン』に出てた!」とすぐに分かるんはず。つい先日も『狼の死刑宣告』(07)で、シェブにハイチ産のブツを勧めるコワモテのタクシー運転手役の人を見かけたばかりだし。
こういう映画は、文章で書いたところでその面白さが半分も伝わらないと思うので、詳しくは実際に本編を観て頂くとして、今回はイカすサントラの紹介をさせて頂きます。
『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』(09)はマイク・パットンのスコアがメインでしたが、1作目はパンクからハードロック、ヒップホップ、カントリーまで、あらゆるジャンルをブチ込んだ闇ナベ的な選曲が面白すぎるサントラに仕上がっています。
映画が始まった途端Quiet Riotの”Metal Health”が流れ出すわ、ヴェローナの伝言DVDを観て激昂したシェブが、Refusedの”New Noise”をBGMにテレビを破壊するわ、Loverboyの”Turn Me Loose”のイントロをスコア代わりに使うわ(確かにカンフー映画っぽいイントロですが)、エピネフリン注射を打ちすぎてハイになり、The Croudのパンクロック”Trix are for Kids”をBGMに街中を全力疾走してみたり、タクシーの車内でアドレナリンを出すためにJarrett & Longの”Achy Breaky Heart”(ビリー・レイ・サイラスのヒット曲)に合わせてヘッド・バンギングしてみたり、もうやりたい放題。
きわめつけは、盗んだ白バイに病院着のまま半ケツで曲乗りするシーン。バックに流れるのは、何とハリー・ニルソンの名曲「うわさの男(Everybody’s Talkin’)」。そりゃ確かにシェブは噂の男には違いないが、この場面で使う曲じゃないだろ?ってな選曲センスが最高。
映画のラスト、シェブがイヴの留守電に最期のメッセージを残す意外と泣けるシーンでJafferson Starshipの懐メロ”Miracles”が流れた後、エンドクレジットはRocket from The Cryptのパンクロック”Bring Us Bullets”、David Rolas F / 10 West and Jimi Barrazの”Adrenalina”、ポール・ハスリンガーのスコア”China Town”で〆てくれます。このイカレ系サントラを聴くだけで十分アドレナリンが放出可能(映画のダイアログも入ってるし)。
サントラ盤はLakeshore Recordsから発売中。CDには”Stayin’ Alive”のカヴァーが収録されているのですが、映画本編では使われてませんでした。一体どんなシーンで使う予定だったのかちょっと気になります。
・・・で、3000フィート上空のヘリから墜落してもシェブ・チェリオスは死んでいなかったと(笑)。
ちなみにあのヘリコプターでのドツキ合いのシーン、ステイサムとヴェローナ役の人、高価なHDカメラを抱えたネヴェルダイン/テイラーの合計4人がヘリに乗り込み、本当にLA上空で撮影したそうです。さすがに落下シーンはディセンダー・リグ(落下装置)を使ったそうですが、それでもスタントマンを使わず自分でやったらしい。すごい役者根性だ。ハスリンガーのヤケクソ気味なハードロック・スコアも迫力満点でございます。









